フォトニック結晶を利用した構造色を持つチョウやゾウムシを対象に、結晶の配向と光学特性の関係を調べた。特にチョウの一種(マエモンジャコウアゲハ)については、単一鱗粉内の特定の結晶ドメインにおいて詳しい研究を行った。その結果、直交偏光配置では、入射する偏光の方向と結晶方位との関係により反射の強度が大きく変化することを明らかにした。また、表面構造の観察から得られた結晶配向を仮定した理論計算を行い、多結晶に分かれたフォトニック結晶構造が直交偏光配置で観察される鱗片のステンドグラス状の模様を生み出していることを明らかにした。
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