シャボン玉の膜は、薄い水溶液膜の両側にそれぞれ界面活性剤が吸着してできている。専門的にはこのシャボン玉膜を泡膜と呼ぶ。泡膜は熱力学的には不安定で最終的には壊れてしまうが、例えば、界面活性剤の親水基が帯電していると、水溶液膜を挟んで電荷を帯びた吸着膜が反発しあうことによって、泡膜は長時間安定になる。本研究では、陽イオン界面活性剤の吸着膜に同程度の長さのアルカン分子を加えて混合吸着膜を作り、この混合吸着膜が二次元液体から二次元固体状態に相転移にすることを利用して、泡膜の安定性を不連続に切り替えることのできる新規な材料を開発した。
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