プロテインAの溶液内の構造を,主にX線溶液散乱法とMD計算の知識を統合して求めた。試料としては、野生型だけでなく、一部をより安定化するように改変したC5d、さらにやや慣性半径の小さくなる C5n1 の3種を用い,酸性,中性におけるそれぞれの構造を調べた。 結果は、MDで計算した結果と非常によく一致した。このことは,通常の球状たんぱく質とは異なり,5つあるドメインがそれぞれあまりストレスをかけないで,弱い結合で構造を保っていることを示唆している。 次に プロテインAと免疫グロブリンIgGのFc端との相互作用を測定し,SVD法により複合体のみの散乱曲線を求めた。この構造の決定は今後の課題である。
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