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2015 年度 実施状況報告書

複雑な3次元形態を有する器官発生における組織変形動態の解析手法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 26400440
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

森下 喜弘  国立研究開発法人理化学研究所, 生命システム研究センター, ユニットリーダー (00404062)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード発生動態 / 理論生物
研究実績の概要

発生・再生現象における3次元形態の構築過程を理解するためには、組織-細胞-分子の各階層間の相関関係を理解することが不可欠であるが、分子・細胞動態と比べて、組織レベルでの変形動態に関する情報は著しく欠如している。本研究では、組織変形動態の理解の最大のネックとなっている計測技術の限界を補完すべく、[1]ベイズ統計に基づき低分解能データから正確に3D組織変形写像を推定するための手法の構築、および[2]ニワトリ脳発生データを用いた提案手法の有効性の検証を行うことをその目的としている。

課題[1]に関しては、昨年度に新しいデータ解析手法の構築に成功した。具体的には与えられた多様体に対して、任意の座標系で記述されたランドマーク情報からの変形ダイナミクスを推定を可能にする方法を提案した。これは自身の先行研究の拡張であるが、大きな改善点は選んだ座標系に合わせて、データに乗るノイズを座標系に固有に計算される誘導計量によって補正を加えたことである。これにより、解析する側が選んだ座標系によって推定結果が不変となるような手法が完成した。提案手法の有効性は人工データを用いることで確認された。今年度はこの結果を” Reconstructing 3D deformation dynamics for curved epithelial sheet morphogenesis from positional data of sparsely-labelled cells”のタイトルの論文としてまとめ、現在投稿中である。

課題[2]の実験への応用に関しては、ニワトリ胚を用いた脳初期発生過程において、量子ドットを用いた組織のラベリングとその軌道追跡に関するデータが追跡され、限られた数のラベルされた細胞軌道から正確に組織変形写像を再構築することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上述のように、主要課題2つのうちの1つである新しいデータ解析手法の構築が完成し、論文としてまとめて投稿することができたため。

今後の研究の推進方策

今後は様々なPerturbationを与えて形態異常が生じた個体に対して同様の解析をすることで、組織レベルでの形態異常メカニズムを明らかにし、論文としてまとめていきたい。

次年度使用額が生じた理由

研究協力者の雇用期間、形態について計画と差が生じたため。

次年度使用額の使用計画

現在投稿中の新しいデータ解析手法を検証するための実験データ取得(試薬購入等)へと使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] Reconstructing 3D deformation dynamics for elastic sheet morphogenesis from limited cell data2016

    • 著者名/発表者名
      森下喜弘
    • 学会等名
      CDB Symposium 2016
    • 発表場所
      理化学研究所 多細胞システム形成研究センター
    • 年月日
      2016-03-28 – 2016-03-30
    • 国際学会
  • [学会発表] Quantitative analysis of tissue deformation dynamics for vertebrate organ development2016

    • 著者名/発表者名
      森下喜弘
    • 学会等名
      NIG International Symposium 2016
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2016-01-09 – 2016-01-10
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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