GNSS衛星を利用した観測によって地震に伴う電離圏全電子数の異常に関する総合的な研究を行った。本研究では地震十分後に生じる異常の振幅と背景となる電離圏全電子数と地震のモーメントマグニチュードの関係を定式化した。また地震直前に電離圏全電子数に異常が生じることが2011年東北沖地震によって発見されたが、本研究では数多くの地震のデータ解析から、異常が始まる時間がM9クラスで40分前、M8クラスで20分前であること、全電子数の変化率でみた異常の大きさがMwと背景全電子数の関数として表されることを明らかにした。また異常の空間構造から、地震前に地表に発生する正電荷が原因である可能性が高いことがわかった。
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