研究課題
平成29年度は本研究課題の最終年度に当たり,衛星レーザ測距による地球重力場決定の衛星ごとの寄与を明らかにしたほか, これまで改良を進めてきた新たな解析戦略に基づいて,衛星レーザ測距データから地球重力場の時間変化を球面調和係数の次数6の成分まで導出した. 新たな重力解は,従来よりも観測精度が大きく向上しており,これまで難しかった1990年代における南極氷床の質量変化の様相を正確に捉えるまでに至った.また,GNSS 信号を低軌道衛星で受信する High-Low 型の衛星間測距データの解析のためのソフトウェア基幹部を構築した.研究代表者・大坪を中心として,測地学会誌にて「GGOS 特集号」を企画し,宇宙測地に関する日本の最新情報を論文として集約するなか,自ら衛星レーザ測距に関する論文を執筆した.そこでは本研究によって解明された研究結果を包括的に紹介している.研究期間を通して,衛星レーザ測距の実データ・シミュレーションデータを使い地球重力場や地球基準座標系の解析を重点的に行った.現在空隙域になっている南半球高緯度域や赤道域に測距局を置く重要性が定量的に示されたことのインパクトは大きいと考えている.今後,そのような局配置が実現するよう海外・国内の各機関と連携して研究を進めたい.さらに,重力解を活用し,グリーンランド及び南極における氷床質量の時間変化を定量的に評価するとともに,その気候変動との関係性について明らかにしていく.
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (26件) (うち国際学会 19件、 招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)
測地学会誌
巻: 63 ページ: 75-79
10.11366/sokuchi.63.75
remote sensing
巻: 10 ページ: -
10.3390/rs10030402
平成29年度国土交通省国土技術研究会論文集
巻: - ページ: 277-282
http://geo.science.hit-u.ac.jp/