低軌道にある人工衛星の精密軌道決定を通して,地球基準座標系や地球重力場の解析を重点的に行った.衛星レーザ測距の実データ・シミュレーションデータを使い,新しい測距観測局を地球上のどこに置くことが効率的であるかを定量的に示した.なかでも,現在最大の空隙域になっている南半球高緯度域の有用性が示され,日本のみならず海外の動向にも影響を与えている.さらに,衛星レーザ測距データから地球の重心移動の年々変化(2~9年周期)を導出し,その駆動源となった質量変動に注目した.大気・海洋・陸水・氷床モデルと照合した結果,重心移動の年々変化を駆動する主要な質量変動源は時期によって変化することを解明した.
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