間隙流体圧をパラメータとし,地震のメカニズム解から地殻内の絶対応力場をモデル化する手法を開発した.本手法では,応力6成分の値が直接得られるため,地震前後の様々な物理量を拘束条件に,絶対応力場を推定する.とりわけ,弾性歪エネルギーの時間変化を用いて絶対応力場を拘束する試みは,他に例がなく画期的である.また,地震CMTデータを用いた応力インバージョン法(CMTデータインバージョン)に関して,手法の特長を生かして,統計的に誤差を評価する手法を確立した.この方法により,2011年東北地方太平洋沖地震前後の応力場のパターンの変化を評価した.
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