研究課題
1)「かぐや」地形カメラ、「LRO」カメラ画像データを使用した月の地下溶岩チューブ存否検証・分布調査について、以下の成果を挙げた:①Oceanus Procellarumに、凹み構造を二カ所、新たに発見した、②月Copernicusクレータに、インパクトメルト起源の凹み構造、橋梁構造を発見した、③Oceanus Procellarumの溶岩チューブは、地形上、地質上、特に目立って特徴は無いことを検証した。2)マリウス丘ならびにリマ・メラン領域で取得された「かぐや」レーダサウンダーデータに、地下に特異な反射構造が存在する箇所を見いだし、溶岩チューブの存在可能性を示唆するものと結論づけた。3)「MRO」HiRISEカメラデータを使用し、火星の地下溶岩チューブ存否検証・分布調査を行い以下の成果を挙げた:①極域を含む全緯度において、数10以上の縦孔構造を発見した、②特にエリシウム山の縦孔構造を調査したところ、その底と周りの構造に関連があるものが有ることが分かり、上部の陥没による縦孔構造形成の可能性を指摘した。4)縦孔の形成過程についてiSALEコードを用いた数値実験により、衝突説を裏付ける結果を得た。5)溶岩チューブ内の水の挙動について、温度が-20℃である環境では、10km程度の距離の空洞では数秒で水分子は散逸すること、しかし、壁への吸着効果次第では残存の可能性があることを示した。これらは、国内外の学会等で発表された。特にレーダサウンダーデータによるマリウス丘における溶岩チューブ存在可能性の示唆は、国際誌に査読付き論文として発表され、JAXAとして公式に記者会見をして発表したほか、国内外のメディア等に掲載され、非常に注目された。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 7件)
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