アラスカ・ランゲル山、オーロラピークの山岳氷河から掘削されたアイスコアに加え、2014、2015年にグリーンランド氷床北西部と東部で新たにアイスコアを掘削し、小氷期後期から温暖化が顕著になる現在にかけての気候・環境変動を復元した。小氷期中期(1700年代)と後期(1850年代)においてグリーンランド、アラスカとも明瞭な気候のシフトが生じ、気温、降水量がシーソーの関係にあることが見出された。この傾向はジェットの蛇行のシフトが主要因だと考察された。また、1990年代以降は、温暖化の影響と思われる気候シフトが現れ、それ以前とは異なる気温と降水量の変動の傾向が現れた。
|