研究課題/領域番号 |
26400480
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
山田 学 千葉工業大学, 惑星探査研究センター, 研究員 (40451512)
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研究分担者 |
山崎 敦 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (00374893)
鍵谷 将人 東北大学, 理学研究科, 助教 (30436076)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ファイバ面分光 / 装置開発 / 紫外観測 / 金星 |
研究実績の概要 |
本研究は、1) 完全同時二次元分光と高速撮像を組み合わせることで高い空間分解・多波長の二次元イメージ観測を実現するための基礎研究として、簡便で精度良いファイバ配列手法を確立し、2) この手法で作成したファイバユニットを用いた分光器を設計・作成し、金星を観測することで金星紫外雲模様の違いが出る波長域があるかを調べるものである。 平成28年度までに作成方法を確立した入射側二次元出射側一次元配列の光ファイバユニット(一次元約300本のユニット3段による900本相当)を用いた分光器を設計したところ、ファイバユニットより後段の分光光学系において、予算内で入手可能な紫外光学材料では結像性能が足りず、隣り合うファイバの光を分離できないことが判明した。今回の金星観測においてはファイバ120本程度あれば視野を確保できるため、出射一次元側は中央の1段のみとし、さらにファイバを一本毎に間引き、ファイバ間隔をあけたファイバユニットを再製作することで対応した。このファイバユニットを用いた分光器を作成し、東北大がハワイハレアカラ山頂に設置している口径60cmのクーデ焦点反射望遠鏡に取り付け、2017年6月の金星最大離隔期間をターゲットとして観測をおこなった。露出時間500ミリ秒で約30分間の金星撮像とバックグラウンドの空の撮像、キャリブレーション用の光源撮像を1セットとして、6月21日から26日までの観測で49セットの330nmから500nmまでの二次元分光データを取得した。金星面上の明るさの異なる領域のスペクトルを比較することに成功した。 本研究で考案した手法で作成したファイバユニットを用いた観測実証ができた。紫外域においては後段の光学系の設計の難しさが課題であることが判明したものの、ファイバ本数を増加させる目途がついたことは大きな成果である。
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