研究課題/領域番号 |
26400482
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
植田 勇人 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (70374197)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 海洋プレート古地理 / 北西太平洋 / 付加体 / オフィオライト |
研究実績の概要 |
・北西太平洋の中生代プレート復元のため,とくにオホーツク海と極東ロシアの付加体やオフィオライト等に重点を置いて資料収集を行い,北海道との関連を考察した上で,成果を書籍に分担執筆した. ・北海道日高町地域の神居古潭帯に分布する白亜紀中期付加体(雁皮山コンプレックス)について野外調査を実施した.当該付加体の中から海洋プレート層序の断片を認識し,それらをつなぎあわせて緑色岩からチャートを経て陸源砕屑岩に移り変わる初生層序を復元した.堆積岩類について放散虫年代を検討し,年代決定を行った.また,緑色岩類の全岩化学組成を検討し,深海底玄武岩,海洋島玄武岩,および島弧火山岩が含まれることを明らかにした. ・北海道三石地域の神居古潭帯に分布するオフィオライト深成岩と高圧変成岩についてジルコンU-Pb年代を測定するとともに,火成岩類や変成岩類の全岩化学組成を検討した.その結果,当該オフィオライトがジュラ紀の海洋性島弧の断片である可能性が高くなった.このことから,ジュラ紀北西太平洋には,北部北上帯の付加体をつくった大陸縁辺の海溝の外側にもう一列の沈み込み帯が存在した可能性が浮上した. ・次年度以降に継続的に年代測定が行えるよう,新任地である新潟大学においてLA-ICPMSによるジルコンU-Pb年代測定を可能にするための立ち上げ作業を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
科研費採択の初年度に転勤したため,研究室や実験環境の整備に時間を費やした.また,次年度以降の準備作業として,所属大学において自前でU-Pb年代測定ができるよう,立ち上げ作業にも時間を費やした.年度後半からは微化石抽出や化学分析等によりデータが得られるようになり,若干遅れ気味ではあるが期待に沿った成果が得られつつある.
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今後の研究の推進方策 |
新任地における実験環境もほぼ整い,データを出せる体制となった.当該科研費に関する卒業研究や修士論文のテーマを選んだ学生・院生もつき,研究室全体として当該研究テーマに取り組んでいく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
3月上旬に実施した化学分析(ICPMS)で使用した消耗品の補充を3月中旬に発注したが,使用時期の関係で支払いが年度をまたいで4月になっだ.
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次年度使用額の使用計画 |
すでに4月上旬に支払いが行われた.
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