海洋プレートは誕生後2億年以内に沈み込んで失われるため,過去のプレート復元には,陸域の付加体やオフィオライトとしてとりこまれた海洋プレート起源の岩石が重要な資料となる.本研究では,中生代以降の北西太平洋における海洋プレートの配置復元するため,北海道に分布する付加体やオフィオライトの岩石と層序,年代を検討した.その結果,空知-エゾ帯と常呂帯の双方から,活動的大陸縁辺とは別の海洋性島弧-海溝系が北西太平洋に存在したことを支持する結果が得られた.このことから,中生代の日本周辺には少なくとも4枚のプレートが存在し,それらの相互作用の中で日本列島の基盤が成長した可能性が高くなった.
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