本研究は,国際的な標準年代尺度として確立しているGeologic time scaleのデータがない北西太平洋海域を対象として,本邦に分布する上部新生界の石灰質ナノ化石を検討し,この海域にスタンダードとして用いることができる石灰質ナノ化石基準面とその年代をできるだけ詳しく明らかにすることを目的とした.本研究で主に用いた試料は,房総半島の地層群および南海トラフの深海底コアであった.本研究の結果,特に上部鮮新統および更新統については,酸素同位体ステージと化石基準面との関係を初めて明らかにすることができた.また他の年代についても古地磁気層序などとの関係から有効な基準面を設定することができた.
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