火山の噴火史を明らかにする上で、溶岩や火山砕屑物・火山灰などの層序関係を知ることは極めて重要である。本研究は、まだあまり用いられていない、古地磁気方位一致/不一致を対比のツールとして用いようとするものである。有用性をテストするフィールドには阿蘇中央火口丘北西部に分布する玄武岩質溶岩地域を用いた。 古地磁気測定結果は一般に極めて良好で、測定した岩石から4.3-3.3kaの古地磁気永年変化曲線を描くことができた。これは、地磁気永年変化研究に大きく資することになる成果である。 得られた永年変化曲線から溶岩の年代を推定すると、現在の火山地質図の分類を大きく見直す必要があることが見出された。
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