日本列島は第三紀中新世に日本海が形成される以前より,東アジア大陸縁辺部で形成されてきた.しかし,三畳紀以前は東アジアの大陸自体が3つ(北中国地塊,南中国地塊,ブレヤ地塊)に分かれていた.当時の堆積岩は,主に黒瀬川帯・飛騨外縁帯・南部北上帯及び舞鶴帯に見られ,これらに対して系統的な砕屑性ジルコン年代分析を行い,帰属を検討した. 舞鶴帯は上記3地塊が衝突した境目付近に位置し,後背地変遷は地塊の衝突融合が原因と思われる.一方,黒瀬川帯の後背地は変化に乏しく,前弧海盆の堆積物と考えられる.また,大山西麓の小規模な片麻岩体の調査・分析も行い,これらがジュラ紀高温型変成帯の断片である可能性を示唆した.
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