南海トラフ巨大分岐断層周辺に発達する海底地すべりの成因を考察するため、統合国際深海掘削計画C0018地点における最も若い地すべり層に対応するMTD1を解析した結果、地すべり滑動の剪断による高密度リニエーションがX線CTイメージで観察された。海底下音響構造からMTD1層は分岐断層帯から海底地滑りが発生し、3m層厚で6kmにわたり滑動したと解釈できる。これは帯磁率異方性解析から南西方向に滑動したと推定される。しかしMTD1の年代は1万年前程度と考えられ、それ以降に地すべりが発生した痕跡はなく、100-200年周期とされる東南海地震と全く違う活動であった事が明らかとなった。
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