各地質時代にどれだけ多様な形態の古生物がいたのか,また地質時代の間でどれだけ形態が入れ替わったのかを定量的に評価する方法を考案した.この方法を用いて古生代デボン紀~中生代白亜紀末までのアンモナイトの形態的多様性の変遷史を解析したところ,顕生累代最大規模と言われているペルム紀末の大量絶滅事変よりも,その800万年前に起こった絶滅事変の方が,アンモナイトの形態から見て重要なイベントであったという結果が得られた.また,大量絶滅の様式を統計的に評価する方法を用いて解析した結果,上記2度の古生代末の絶滅事変前後ではいずれも薄い概形をしたアンモナイトが有利だったと考えるのが尤もらしいことがわかった.
|