北海道苫小牧沖および北西太平洋中央部のシャツキーライズから得られた海底堆積物コアについて底生有孔虫の群集解析,有孔虫の石灰質殻の酸素・炭素同位体比分析,放射性炭素年代分析を行った.北海道苫小牧沖コアの分析では,底生有孔虫の酸素同位体比がベーリングアレレード温暖期からヤンガードリアス寒冷期にかけて増加した.この増加は北半球高緯度の寒冷化に伴って北太平洋中層水の循環が強化された可能性を示している.シャツキーライズの結果からは,北太平洋の深海底において底生生物群集は氷期間氷期の気候変動に伴って大きく影響を受け変化していることが明らかとなった.
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