極低温原子間力顕微鏡を用いて,冷却されたSi(111)7×7基板上に作成したアモルファス氷のナノスケール表面構造の測定を行なった.その結果,低温で作った氷はポーラスで高温で作成された氷はコンパクトであるというこれまでの常識とは異なる結果が得られた.これは,これまでのアモルファス氷の幾何構造に関する研究手法では分子レベルの構造を見ているのに対し,本研究ではナノスケールの構造を実空間で測定しているため,見ている構造のスケールが異なることに起因する.得られた知見は,アモルファス氷の形状モデルの作成やアモルファス氷を用いた実験の結果の正しい理解に寄与する.
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