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2014 年度 実施状況報告書

隕石及び惑星物質の比較鉱物学

研究課題

研究課題/領域番号 26400510
研究機関茨城大学

研究代表者

木村 眞  茨城大学, 理学部, 教授 (20142226)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード隕石 / 原始太陽系 / 鉱物 / 衝撃変成作用
研究実績の概要

鉱物は地球型惑星を構成する固体物質であり、鉱物の種類や特徴は地球や他の惑星の形成過程、形成環境及び進化に関する情報を与える。本研究ではこのような観点に立ち、特に隕石中の鉱物の特徴を明らかにすることにより隕石やその構成物質の形成条件を研究し、これらの鉱物学的特徴を様々な惑星物質と比較し、得られたデータを総合して隕石や固体惑星物質の形成過程を鉱物学的特徴から比較検討していくことを目的としている。
平成26年度はエンスタタイト・コンドライト中の衝撃変成作用に関して最近認められた新試料を基に研究を行った。これは強度の衝撃変成作用を受けた試料であり、エンスタタイト・コンドライトから初めて高圧鉱物を発見することができた。さらにこの試料全体の鉱物組成に関して研究を行い、衝撃時およびその後の熱履歴を明らかにすることができた。特に含まれている不透明鉱物が解析に有用であることも明らかになった。これらの成果はモロッコで開催された国際隕石学会で発表した。また電子顕微鏡観察を行い、衝撃の詳細な過程を検討した。
分化隕石であるメソシデライトの鉱物学的特徴を系統的に研究し、あるメソシデライトが従来のどの試料より始源的であることを見出した。メソシデライトの始源的特徴、珪酸塩鉱物と金属相の混合過程に新たな知見を加えるものとなった。
極地研究所の客員研究員であることから、同研究所に所蔵されている膨大な南極隕石の記載及び分類作業を行った。多くのものは平衡普通コンドライトであるが、これらの中に多数の角礫岩化した試料が含まれていることが明らかになった。これらの試料の系統的観察により、角礫岩隕石の分類及び特徴に関して新たな知見が得られている。分類の成果は極地研究所発行のMeteorite Newsletterにより公表された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究目的に4テーマを挙げた。そのうちのエンスタタイト・コンドライトの研究、衝撃変成作用の研究、分化隕石の研究は順調に遂行中である。また、隕石の分類学も別途の研究テーマに挙げたが、これも順調に遂行している。これらの概要は「研究実績の概要」に記した通りである。
以上から、自己評価としてはおおむね順調と考えられる。

今後の研究の推進方策

当初の研究目的にあげたエンスタタイト・コンドライトの研究、衝撃変成作用の研究、分化隕石の研究は順調に遂行しているので、平成27年度、28年度は新たな試料を用いて、さらに研究をすすめる予定でいる。また、隕石の分類学的研究でも新たな成果を出すために多数の隕石の観察的研究に着手したところである。これらの研究に関わる成果は国際、国内学会で発表し、論文も作成予定でいる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Petrology and bulk chemistry of Yamato-82094, a new type of carbonaceous chondrite2014

    • 著者名/発表者名
      M. Kimura, J. A. Barrat, M. K. Weisberg, N. Imae, A. Yamaguchi, and H. Kojima
    • 雑誌名

      Meteoritics & Planetary Science

      巻: 49 ページ: 346-357

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Compositions, geochemistry, and shock histories of recrystallized LL chondrites2014

    • 著者名/発表者名
      Friedrich, J.M., Perrotta, G.C., and Kimura, M.
    • 雑誌名

      Geochimica et Cosmochimica Acta

      巻: 139 ページ: 83-97

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Noble gases in individual chondrules of the Allende CV3 chondrite2014

    • 著者名/発表者名
      Yayoi N. MIURA, Keisuke NAGAO and Makoto KIMURA
    • 雑誌名

      Meteoritics & Planetary Science

      巻: 49 ページ: 1034-1056

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Sylvite and halite on particles recovered from 25143 Itokawa: A preliminary report2014

    • 著者名/発表者名
      T. Noguchi, M. Kimura and 6 coauthors
    • 雑誌名

      Meteoritics & Planetary Science

      巻: 49 ページ: 1305-1314

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 隕石中の鉱物2014

    • 著者名/発表者名
      木村 眞
    • 学会等名
      鉱物科学会
    • 発表場所
      熊本大学
    • 年月日
      2014-09-18 – 2014-09-18
    • 招待講演
  • [学会発表] SHOCK VEIN IN AN ENSTATITE CHONDRITE, ASUKA 101642014

    • 著者名/発表者名
      M. Kimura, A. Yamaguchi, M. Miyahara, and L. Pittarello
    • 学会等名
      77th Meteoritical Society
    • 発表場所
      カサブランカ、モロッコ
    • 年月日
      2014-09-08 – 2014-09-08

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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