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コンドライトは太陽系初期の情報を担っている。このことを本研究では踏まえて以下の点を種々のコンドライトに関して研究を遂行し、以下の結果を得た。１）隕石鉱物は年々発見され、その数は増加している。これらの鉱物は隕石形成過程に関する定量的な物理化学条件を与える。しかしながら、膨大な隕石鉱物を多くの研究者が把握するのは難しい。そこで研究者の便宜をはかるため、本研究期間において、従来の研究を踏まえて、隕石鉱物に関するデータベースを作成し、その概要を総説として公表した。２）強い衝撃変成作用を被った隕石からは多くの高圧鉱物が発見されている。これらは天体衝突の物理過程や天体の進化に関して重要な制約条件を与える。しかしながら隕石の中で比較的発見例の少ないエンスタタイト・コンドライトからはこのような鉱物は未発見であった。本研究期間において始めてシリカ鉱物の多形である高圧鉱物をこれらの隕石から発見し、その産状や形成過程を定量的に論じた。またこの成果について論文として公表した。３）コンドルールの酸素同位体は原始太陽系の同位体分布や物質形成過程に関して制約条件を与える。本研究においては特異な種類の炭素質コンドライト中のコンドルールを研究し、酸素同位体リザーバーの多様性と進化をアメリカの共同研究者と共に明らかにし、結果を論文として公表した。４）角礫岩化したコンドライトの詳細な記載を行い、クラストと呼ばれる各構成物質の詳細な岩石鉱物学的特徴を記載した。さらに共同研究者と共に希ガス組成を測定した。これらの結果から、クラスト毎の形成過程や条件を明らかにし、この隕石全体における角礫岩化作用の過程についても論じた。結果は国際隕石学会で報告した。
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