球面収差補正走査透過電子顕微鏡法により、フェリハイドライト、シュベルトマナイトの構造を観察し、Zコントラスト像から結晶構造モデルを作ることを試みた。電子線回折およびX線回折によりフェリハイドライトと同定されるナノ粒子の集合体からは、酸素の最稠密面がABAC、AB、および不規則なスタッキングをする粒子が認められた。これまで提案されたモデルとは異なりFeは8面体に入るが、4面体にはほとんど認められなかった。シュベルトマナイトは、アカガネアイト類似の構造をもつとされてきたが、Zコントラスト像ではアカガネアイトが持つような8面体で作られるトンネル構造は確認できない。
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