地球の材料物質と現在の地球の間のNd同位体比の差を補完する「隠された」リザーバー(hidden reservoir)が持つべき主成分元素組成と密度を、同位体に基づいたモデル計算と高圧融解実験、状態方程式を用いたモデル計算によって求めた。その結果、hidden reservoirとなるべきメルトは、地球形成から3000万年以内に7GPa・1750℃で2%以下の融解度で生成される必要があることがわかった。このメルトは、鉄・チタンなどに富むコマチアイト質で、密度は始原的マントルよりも有意に小さいため、冥王代初期に地球表層に地殻を形成し、その後の巨大衝突によって地球から失われた可能性が高い。
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