本研究は、“結晶成長”と“低温”をキーワードにし、温度可変AFMその場観察法を用いて、気候・環境変動の指標として重要な炭酸塩・硫酸塩鉱物にスポットを当て、低温(5℃)から高温(~50℃)までの結晶成長現象をナノスケールでリアルタイムに捉え、その機構や様式変化の解明を試みた。重晶石(硫酸塩鉱物)の結晶成長実験では、成長速度の異方性と過飽和度依存性を明らかにしたことに加え、結晶成長機構・速度に対する温度変化の影響についても詳細に説明した。方解石(炭酸塩鉱物)の結晶成長及び溶解実験では、その特異面上での水平方向及び垂直方向のステップ・面の前進あるいは後退速度の過飽和度依存性を定量化した。
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