レーザー技術の進展により、日本の総電力パワー(テラワット)に相当するパワーを瞬間的かつ局所的につぎ込むことが可能となった。結果、物質を構成する電子が瞬時に光速に加速され、究極のエネルギー源とされる核融合プラズマを加熱することが期待されている。しかし、電子の運動がはやすぎるため、プラズマが加熱されない状況が続いていた。今回、レーザーの電場の向き(偏光)を、従来の直線偏光から円偏光とすることで、高速電子のコヒーレンス向上による低温度化とプラズマ加熱への展開を試みた。結果、円偏光の場合、エネルギー0.3 MeV以下の低エネルギー成分が増大しており、プラズマを効率よく加熱できる可能性が見出された。
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