光化学反応により脂質の相転移を引き起こし、膜タンパク質の結晶化を開始させる研究を行った。本研究では光化学反応で構造変化する光機能性界面活性剤を用い、相転移する空間を限定しその場で結晶成長させることを検討した。光機能性界面活性剤としてAZTMAを合成した。その結果、AZTMAのtrans-cis異性化反応で脂質の相が立方相からラメラ相へ相転移することをX線回折実験により確認した。膜タンパク質としてバクテリオロドプシンを用い結晶化実験を行った。膜タンパク質分子の存在が相転移を引き起こす駆動力として働き、光誘起相転移で結晶化を誘起させる実験が困難なことが判明した。
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