本研究では、Ca2+結合タンパク質のCa2+配位構造と機能の相関について振動分光学的アプローチが有用であることを示した。EFハンドモチーフの合成ペプチドアナログに特異的に13Cラベル体を導入できれば、同位体シフトにより他のグルタミン酸と区別することも可能であることをトロポニンCサイトIIIの合成ペプチドアナログを用いて明らかにした。さらにCa2+結合ドメインの凝集がCa2+結合に与える影響について、タバコカルモジュリンの各結合部位やパルブアルブミンのCDサイト、EFサイト等に焦点を当てて、ペプチドの中には凝集によるCa2+結合能の低下が示唆されるものがあった。
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