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2016 年度 実施状況報告書

全原子を測定対象とするNMR法の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 26410007
研究機関高知大学

研究代表者

山田 和彦  高知大学, 教育研究部総合科学系複合領域科学部門, 准教授 (80373380)

研究分担者 高橋 雅人  国立研究開発法人理化学研究所, ライフサイエンス技術基盤研究センター, 上級研究員 (60392015)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードNMR / 硫黄 / 臭素
研究実績の概要

市販品では観測することが不可能であった四極子核を中心に固体NMR測定を実施した。例えば、臭素原子は79Brと81BrのNMR測定可能な核種を有しているが、どちらも線幅が広がるため、化学の研究分野では重要な原子であるにも拘わらず、NMR測定をすることは困難であった。本研究成果を活用し、SrBrの79Br並びに81Brの固体NMRスペクトルを観測することができた。また、開発したシミュレーションプログラムを用いて、化学シフト値や核四極子結合定数、また、非対象パラメータなどのNMRパラメータを算出した。そして、量子化学計算と比較した結果、それらは正確なNMRパラメータであることを実証した。
また、硫黄原子は本研究課題において最も重要なターゲットであるが、硫黄33安定同位体標識を施した様々な官能基を合成し、硫黄NMRに挑戦をしている。得られた硫黄NMRスペクトルを解析し、化学シフト値などのデータベースを構築している最中である。また、X線構造解析の結果と比較検討し、NMRパラメータの物理的意味を見出すことに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

従来の市販品装置では観測することが困難であった四極子核を中心にNMR測定に成功をしている。可能な限り、測定並びにスペクトル解析に成功した核種を増やしたい。

今後の研究の推進方策

現在、硫黄33安定同位体標識化合物を化学合成しているが、引き続き、様々な硫黄原子の官能基の有機硫黄化合物を合成し、NMR測定に繋げたい。また、金やハフニウムなどの核種を測定対象とする固体NMR測定に挑戦したい。

次年度使用額が生じた理由

硫黄33安定同位体標識化合物の合成は、原料が非常に高価であるため、予備実験の成否を見分けることが非常に重要である。そのため、時間をかけて実験結果を考察する必要がある。

次年度使用額の使用計画

合成実験のペースを上げて、平成29年度中に全ての実験計画を遂行する予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] Understanding the symmetric line shape in the 17O MAS spectra for hexagonal ice,2016

    • 著者名/発表者名
      K. Yamada*, S. Oki, K. Deguchi, T. Shimizu,
    • 雑誌名

      J. Mol. Struct.,

      巻: 13 ページ: 108-111

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Determination of nuclear quadrupolar parameters using singularities in field-swept NMR patterns,2016

    • 著者名/発表者名
      N. Ichijo, K. Takeda, K. Yamada, K. Takegoshi,
    • 雑誌名

      J. Chem. Phys

      巻: 145 ページ: 134201-134209

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 可変型超伝導磁石による固体NMR測定の新展開 有機硫黄化合物を測定対象とする固体NMR法,2016

    • 著者名/発表者名
      山田和彦
    • 雑誌名

      J. Cryo. Super. Soc. Jpn

      巻: 51 ページ: 64-70

  • [雑誌論文] 四極子核固体NMR法の基礎の基礎2016

    • 著者名/発表者名
      山田和彦
    • 雑誌名

      Bulletin of Nuclear Magnetic Resonance Society of Japan

      巻: 7 ページ: 77-84

  • [学会発表] 可変型超伝導磁石を用いた固体硫黄NMR の新展開2016

    • 著者名/発表者名
      山田和彦
    • 学会等名
      高分子学会NMR研究会16-2、
    • 発表場所
      積水化学京都事業所
    • 年月日
      2016-12-02
    • 招待講演
  • [学会発表] ゴムの架橋構造解析を目的とする硫黄NMR法の開発2016

    • 著者名/発表者名
      山田和彦
    • 学会等名
      第65回高分子討論会
    • 発表場所
      神奈川大学
    • 年月日
      2016-09-16
  • [学会発表] 全原子を測定対象とする次世代型核磁気共鳴(NMR)装置の開発2016

    • 著者名/発表者名
      山田和彦
    • 学会等名
      高分子分析研究懇談会 第384例会
    • 発表場所
      明治大学紫紺館
    • 年月日
      2016-09-05
    • 招待講演
  • [学会発表] 全原子を測定対象とする次世代型NMRの開発2016

    • 著者名/発表者名
      山田和彦
    • 学会等名
      第8回日本生物物理学会中国四国支部大会
    • 発表場所
      高松テレサ
    • 年月日
      2016-06-28 – 2016-06-29

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公開日: 2019-12-27  

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