本研究では、タングステン等の加熱金属触媒体上でのジボラン等の水素化合物の分解過程を実験と理論の両面から追及することを目的とした。以前の研究からシランやホスフィンは、原子にまでばらばらに分解されるのに対し、アンモニアではアミノラジカルと水素原子が主生成物であることが分かっている。今回は、ジボランの分解過程を通じ、水素化物の種類によって分解過程が大きく異なる原因が、化学結合の強さに由来することを示した。また、ジボラン以外のホウ素化合物についても実験を行い、特殊高圧ガスに依らない新たなるホウ素原子ドーピング法の開発に寄与した。
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