STATE-Senriに、結合長を反応座標とするメタ・ダイナミクス法を組み込み、フッ酸溶液とOH終端Si(111)表面との界面でのエッチング過程について研究を行った。当初想定した単純なHF分子の解離反応過程は起こらず、HF分子が解離(電離)し、Fアニオンが第一層Siと結合して5配位Siの中間体を取り、OH終端のプロトンがSi-Siのバックボンドの間に入ってバックボンドを終端するという反応過程が起こった。これは、従来考えられていた単純な解離反応過程ではなく、現実にはもう少し複雑な中間体を経た反応過程で起こっていることを示唆する重要な結果である。
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