気相分子の円偏光二色性(CD)を観測することを目的として、4枚の高反射率ミラーで構成される蝶タイ型キャビティリングダウン分光法(CRDS)の構築と、不揮発性分子の気相化のためのエレクトロスプレーイオン化法(ESI)の開発を行った。シアニン系色素分子に対してESIを適用することにより、微小液滴として色素分子を大気中に取り出すことに成功した。これにCRDSを適用すると、660nmにピークをもつ吸収スペクトルを測定することに成功した。微弱信号であるCDを観測するには気相分子源の高度な安定化が必要であり、そのための新たなESIを構築することが今後の課題である。
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