大規模な分子システムの電子励起状態を精度良く記述できる電子状態理論と、そのような電子状態を解析する理論を開発した。この理論開発により、光励起、吸光、蛍光、蛍光消光、イオン化、電荷分離、光ラジカル解離、励起状態プロトン移動といった、複雑で多様な電子励起状態における化学プロセスを、分子間相互作用や溶媒効果などを考慮した上で、理論的に精度良く記述できるようになった。この方法を、最先端の機能性色素に関する実験研究結果の解析や電子メカニズムの解明に用い、新しい光化学の構築や機能性色素の実用化に向けた研究を行った。また、より簡便な計算手法である密度汎関数法との比較検討を行い、その妥当性と限界を示した。
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