エノラート種の酸化的クロスカップリングは、2種の異なるエノラート種から直接的に非対称1,4-ジカルボニル化合物を合成できる有用な反応であるが、ホモカップリング体の生成が課題であった。本研究では、エノラート種の対カチオン金属種により反応性を制御することで、選択的に2つの異なるエノラート種を酸化的クロスカップリングさせる手法の開発を目的とした。結果、ボロンエノラートおよびシリルエノラートを組み合わせ、酸化剤として高原子価バナジウム(V)を用いることで、選択的に酸化的クロスカップリングが進行することを見出した。
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