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2015 年度 実施状況報告書

超原子価ヨウ素への相互作用に基づく活性化と選択性向上

研究課題

研究課題/領域番号 26410057
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

藤田 守文  兵庫県立大学, 物質理学研究科, 准教授 (00275314)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード超原子価ヨウ素 / 酸化 / 不斉合成
研究実績の概要

アルケン基質の超原子価ヨウ素による酸化反応において、外部求核種として、酢酸などのカルボン酸を用いて、ジオキソラニルカチオン中間体を経由する炭素-炭素結合生成反応を開発した。反応基質として、スチレン誘導体のみならず、脂肪族アルケンを用いて、超原子価ヨウ素であるヨードソベンゼンジアセタート(PhI(OAc)2)による酸化反応を行った。塩化メチレン溶媒中、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(BF3-OEt2)存在下、マイナス80℃にて反応を行った。酢酸などのカルボン酸が存在すると、カルボン酸が求核付加した後、隣接基関与によって、ジオキソラニルカチオン中間体を与える。反応温度を上げると、ジオキソラニルカチオン中間体が反応系中の水またはカルボン酸と反応してしまうが、マイナス40℃の時点で、シリルエノールエーテルや、ケテンシリルアセタールを反応系に加えると、ジオキソラニルカチオン中間体の捕捉生成物を得ることができた。得られた生成物は、ジオキソラン環を維持しており、ジオキソランの2位で炭素-炭素結合が生成していた。酢酸以外にも、プロピオン酸、イソ酪酸、安息香酸を用いた反応において、同様のジオキソラン環を保った捕捉生成物をえることができた。また、乳酸側鎖を不斉源にもつ光学活性超原子価ヨウ素試薬を用いたところ、最高で95%のエナンチオマー過剰率(エナンチオマー比97.5:2.5)の捕捉生成物を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新たな酸化反応系を開発することについては、順調に進行しているが、それを触媒化するにあたり、苦労している。

今後の研究の推進方策

触媒反応に固執することなく、化学量論反応での酸化反応で価値ある反応の開発を目指す。

次年度使用額が生じた理由

触媒反応への展開に遅れが生じたため

次年度使用額の使用計画

化学量論反応を中心に据え、新規反応開発とその応用に力を入れるため、その費用に充当する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 光学活性超原子価ヨウ素(III)によるアルケンの不斉酸化2016

    • 著者名/発表者名
      藤田守文
    • 雑誌名

      有機合成化学協会誌

      巻: 74 ページ: 233-242

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Stereoselective Formation of Substituted 1,3-Dioxolanes through a Three-Component Assembly during the Oxidation of Alkenes with Hypervalent Iodine(III)2015

    • 著者名/発表者名
      M. Shimogaki, M. Fujita, T. Sugimura
    • 雑誌名

      Molecules

      巻: 20 ページ: 17041-17057

    • DOI

      10.3390/molecules200917041

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 光学活性超原子価ヨウ素を用いたアルケンのエナンチオ選択的オキシアリール化反応2016

    • 著者名/発表者名
      下垣実央・藤田守文・杉村高志
    • 学会等名
      日本化学会第96春季年会
    • 発表場所
      同志社大学京田辺キャンパス(京都府京田辺市)
    • 年月日
      2016-03-24 – 2016-03-27
  • [学会発表] 超原子価ヨウ素を用いたシクロヘキサン環化反応2015

    • 著者名/発表者名
      下垣実央・藤田守文・杉村高志
    • 学会等名
      2015年有機反応機構研究会
    • 発表場所
      高知県立県民文化ホール (高知県高知市)
    • 年月日
      2015-09-27 – 2015-09-28
  • [学会発表] アルケニルアミドの酸化反応における選択性の切替2015

    • 著者名/発表者名
      吉田結実・藤田守文・杉村高志
    • 学会等名
      2015年有機反応機構研究会
    • 発表場所
      高知県立県民文化ホール (高知県高知市)
    • 年月日
      2015-09-27 – 2015-09-28
  • [学会発表] 炭素求核種をもつアルケンの超原子価ヨウ素酸化反応2015

    • 著者名/発表者名
      下垣実央・藤田守文・杉村高志
    • 学会等名
      第26回基礎有機化学討論会
    • 発表場所
      愛媛大学城北キャンパス(愛媛県松山市)
    • 年月日
      2015-09-24 – 2015-09-26
  • [学会発表] 超原子価ヨウ素によるアルケニルアミドの酸化反応: N-環化とO-環化の切替2015

    • 著者名/発表者名
      吉田結実・竹末拓矢・藤田守文・杉村高志
    • 学会等名
      第26回基礎有機化学討論会
    • 発表場所
      愛媛大学城北キャンパス(愛媛県松山市)
    • 年月日
      2015-09-24 – 2015-09-26
  • [学会発表] 超原子価ヨウ素を用いた酸化的カチオン-π環化反応2015

    • 著者名/発表者名
      下垣実央・藤田守文・杉村高志
    • 学会等名
      第17回ヨウ素学会シンポジウム
    • 発表場所
      千葉大学西千葉キャンパス(千葉県千葉市)
    • 年月日
      2015-09-16 – 2015-09-16

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公開日: 2017-01-06  

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