研究課題/領域番号 |
26410061
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研究機関 | 倉敷芸術科学大学 |
研究代表者 |
仲 章伸 倉敷芸術科学大学, 生命科学部, 教授 (00289232)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ケイ素 / ナノサイズ分子 / 色素増感太陽電池 / 機能材料 |
研究実績の概要 |
平成27年度は、高効率で耐久性の高い色素増感太陽電池の作成を目指し、これまで合成してきた化合物よりも、長波長側に吸収極大を持つ化合物の合成法の確立を行った。具体的には、ベンゾチアジアゾール骨格を有するユニットを組み込み、ジシラニル置換されたドナー-アクセプター型化合物を合成した。チエニル基上のヘキシル基の位置が違う2種類の化合物の合成を行い、紫外可視吸収スペクトルおよび蛍光発光スペクトルの測定を行った。その結果、分子内のベンゾチアジアゾール部とヘキシル基を持つチオフェン部との平面性の違いが、紫外可視吸収スペクトルに大きく影響を与えることを明らかにした。 さらに、これらの化合物を用いて色素増感太陽電池のセルを組み立て、光電変換効率の算出も行った。太陽電池はそれぞれ2種類用意した。一つは色素を含む溶液の光反応を行うもの、もう一つは光反応と比較するために光を当てずに色素を暗浸漬させたものを製作した。その結果、色素を暗浸食させた太陽電池のセルの効率の方が良いことが分かった。 色素を光反応させた電池と暗浸漬させた電池の光電変換効率の差を生んだ原因の一つとして色素溶液のチタニアコーティングのFTO電極への反応時間の違いが考えられる。チタニアコーティングのFTO電極と色素が触れる時間が増えれば吸着量が増え、反応時間に比例した光電変換効率の差が生まれたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ベンゾチアジアゾール骨格を有する化合物の合成法を確立し、その光学的性質を明らかにすることが出来た。また、これらの化合物を用いて色素増感太陽電池のセルを組み立て、その評価を行うことが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、ベンゾチアジアゾール骨格を有する星型化合物の合成を行い、これら化合物群の色素増感太陽電池の色素としての最終的な結果を得たいと考えている。また、別のタイプの多次元化合物として、ケイ素を含むH型化合物の合成も行いたいと考えている。
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