本研究では、フォトニクスの21世紀において、社会基盤を支える光機能性材料のさらなる高度化を志向し、光励起子ダイナミクスの制御法開発を目的に研究を展開した。 発光性配位高分子結晶のメゾ結晶化により、バルク結晶とも分子状錯体とも異なる発光挙動を示すことを見出し、メゾ結晶形成が励起子ダイナミクスに大きく影響することが分かった。 半導体ナノ結晶を用いた太陽光水分解触媒反応においては、増感ナノ結晶表面を覆う配位子が触媒-光増感剤複合体形成に深く関与すること、色素-半導体表面における界面電子移動反応では増感色素の多層化により、電荷分離効率が向上し得ることを見出し、励起子ダイナミクス制御法の基盤的知見を得た。
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