自己組織化によって構築できるグリッド分子をもちいて、電気化学的な操作やその他の外場によって、多くの安定状態をとりうる分子素子を開発することを目的として研究を進めた。銅イオンと鉄イオンを含む反応溶液をもちい、種々の合成条件を検討することで[3×3]グリッド型構造を持つ銅-鉄錯体[Cu8Fe]を得、単結晶構造解析によって構造を決定した。この錯体の電気化学的測定の結果、5段の可逆な酸化還元波を示すことがわかった。この錯体の還元体・酸化体も合成し、それぞれの構造・磁性・分光学的測定を行い、スピン状態を決定した。
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