金属蛋白質内の「微小疎水空間」をモデル化した金属錯体を合成し、様々な知見を得た。モリブデン・タングステン酵素モデルでは、疎水空間内への基質の効率的な取り込みにより反応を加速させ、反応性の低い基質の還元、水溶性ミセル中での微小疎水空間の導入に成功し、非極性溶媒中での特異な反応性を明らかにした。非極性溶媒に可溶なマグネシウム含有ホスファターゼモデルでは水素結合の切り替えによる反応性制御を達成した。[4Fe4S]骨格を持つフェレドキシンモデルでは、疎水空間とNH…S水素結合により、クラスター構造や電子状態を制御できる事を示した。
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