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2015 年度 実施状況報告書

次世代電池材料関連物質の結晶化学と基礎物性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26410081
研究機関国立研究開発法人物質・材料研究機構

研究代表者

松下 能孝  国立研究開発法人物質・材料研究機構, 材料分析St, 主幹エンジニア (70422441)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード高温X線回折 / 電池材料 / リチウム-空気電池
研究実績の概要

本年度は、既存の実験室系温度可変型粉末回折計を各種雰囲気(空気、窒素、アルゴン、ヘリウム、真空)下で、各温度で自動測定可能な物に改造を行った上で、本装置を利用して、本研究課題物質であるLi2O2の熱的挙動を追跡実験を行った。本物質は非常に古典的かつ基礎的な物質にも係わらず、その熱的挙動は殆ど未知で有り、基礎化学のみならず、今後、リチウム-空気電池を民製化する上において重要な知見でもある。本実験では、民製化を鑑みた上で、室温から500℃迄の温度域において、相対湿度:約65%の空気中で実験を行った。その結果、既知の報告同様に約200℃で分解を開始した。しかし、今回の雰囲気下では、本物質は約350℃までの約150℃の温度幅の領域で、Li2O2は徐々に分解し、最終生成物はLiOHと成った。既知の報告では詳細は述べられていないが、最終生成物はLi2Oで有る。この違いは測定時の雰囲気に強く相関を示すと考えられる。事実、真空下での実験では、最終生成物はLi2Oであり、単にLi2O2の過酸化イオンが分解し、酸素を放出した結果と成った。本実験結果を基に、Li2O2の分解過程の追跡のみならず、Li2O2の線熱膨張係数、局所構造・電子密度の変化をも得る事が出来た。本結果は2015年8月、ヨーロッパ結晶学会で発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ほぼ当初の研究計画通り遂行している。

今後の研究の推進方策

今後は当初の目標である過酸化リチウムの含水塩の合成を積極的に推進して行き、過酸化リチウム系物質の総括を目指す。

次年度使用額が生じた理由

海外製品購入に伴い、為替レート変動により額が減じたため。

次年度使用額の使用計画

本年度はこの金額をも有効に使用し、本研究に必要な薬品類の購入に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] High-temperature behavior of lithium peroxide Li2O22015

    • 著者名/発表者名
      Y. Matsushita, M. Imai, and S. Kawada
    • 学会等名
      29th European Conf. on Crystal. (ECM29)
    • 発表場所
      Rovinj, Croatia
    • 年月日
      2015-08-23 – 2015-08-28
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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