外部からの酸・塩基の刺激によって分子内に存在する水素結合の位置が切り替わり、 それを反映して緑色と橙色の蛍光が可逆的に発現する励起状態分子内プロトン移動(ESIPT)型色素BTImPの合成に成功した。この蛍光クロミズムは、BTImPをNafion膜にドープした場合でも観測され、膜上に酸性および塩基性の水をインクとして用いることで文字を書いたり消したり出来ることを示した。また、橙色の蛍光は陰イオンの存在に影響を受けやすいことが判り、その特性を利用することで、乾湿処理による橙/青の蛍光クロミズムや励起波長に依存した蛍光色変化(青~白~橙)も観測した。
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