本研究では、「電荷支援型水素結合」と呼ばれる極めて強い非共有結合的相互作用を用いて、新たなソフトマテリアルを構築する方法論の開拓に取り組んだ。特に、合成高分子を基盤とする超分子ポリマーゲルの構築に集中的に取り組み、アミジン基をもつポリマーとカルボキシ基をもつポリマーを溶液中で混合したのちに溶媒を留去するだけで簡単に、電荷支援型水素結合の三次元ネットワーク構造を有する超分子ポリマーゲルが得られることを見出した。これらの超分子ポリマーゲルは温度変化に対して可逆的に粘弾性を変化させ、また、多くの場合、低温では流動性を示さず、貯蔵弾性率が1 MPa以上のゴム状領域を示すことがわかった。
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