ユニークな結合状態を有しながら揮発性と毒性のため研究例が少ない水銀複合金属酸化物のうち、Hg-Pt-Oの3元系において物質探索と機能開発を行った。原料であるHg及びPt酸化物を十分に反応させるため、4GPaの高圧下で合成を試みた。本研究の範囲では、唯一、Hg1-xPt3O6 (x=0-0.1)が単一相として得られ、これ以外の化合物は得られなかった。Hg1-xPt3O6は、Eg=0.02eVという非常にギャップの小さい半導体であった。また、磁性成分は検出されなかった。これは金属と半導体の境界にあり、圧力や元素置換により半導体金属転移を起こす可能性が高い。今後、この物質の機能開拓に興味が持たれる。
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