CO2は地球上に豊富に存在し、化石燃料に代わる魅力的な一炭素資源であるため、その有効利用が求められている。一方でC(sp3)-H結合の触媒的な切断と続く官能基化は比較的難しい。本研究の目的は、未だ熱的な触媒反応の前例がないC(sp3)-H結合のCO2によるカルボキシル化を開発することである。検討の結果、AlMe3、Co(acac)2、およびXantphosから調製したメチルコバルト種を触媒として用いることで、アリルベンゼンや1,4-ジエンのアリル位のC(sp3)-H結合の切断を経る触媒的カルボキシル化が効率良く進行し、直鎖型のカルボン誘導体が選択的に得られることがわかった。
|