研究課題/領域番号 |
26410115
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中 寛史 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教 (70431517)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アルコール / 光触媒 / 有機合成 / 脱水素化 / N-アルキル化 / N-メチルアミン |
研究実績の概要 |
本研究の目的はアルコールの光触媒変換を鍵過程とした高選択的な有機合成反応を開発することにある.具体的には,金属酸化物を基本とする固体光触媒を利用して,1) アルコールの脱水素化反応と,2) アルコールを用いるアミンの N-アルキル化反応の二点を中心に研究を展開した. 1)アルコールの脱水素化反応 既に我々は光触媒 Ru/SrTiO3:Rh と可視光を用いるアルコールの脱水素化反応を報告している [Chem. Eur. J. 19, 9452 (2013)].そこでまずこの脱水素化反応の効率を向上させるために,本反応の基本的な性質を有機化学的な手法を用いて明らかにした.さらに光触媒の構成元素の種類や割合,合成反応条件が触媒活性に与える影響を明らかにした.特に SrTiO3:Rh を焼成する際の昇温速度が触媒活性に大きな影響を与えることを突き止めた. 2)アミンの光 N-アルキル化 光触媒 Ag/TiO2 とアルコールを用いたアミンの光N-アルキル化反応の最適条件と用いることができるアルコールとアミンの範囲を明らかにした.特にメタノールを用いた際に幅広いアミンを直接N-メチル化できることを明らかにした.また基質に存在する官能基として,炭素炭素二重結合や水酸基,カルボニル基など,従来の手法では共存が困難な官能基も保持されることを明らかとし,本法を N-メチルアミンの汎用性の高い合成反応として発展させた [Org. Lett. in press].
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1) アルコールの脱水素化反応と,2) アルコールを用いるアミンの N-アルキル化反応の二点について,当初予定していた研究目標を達成できたため.
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今後の研究の推進方策 |
1)アルコールの脱水素化反応 前年度の結果を踏まえて,より高活性なアルコールの脱水素化反応を開発する.可視光を使った現状での方法では触媒活性に限界があることが示唆されたため,近紫外光の利用も含めて触媒系の改良を行う. 2)アミンの光 N-アルキル化 光触媒を用いた N-アルキル化反応の高い官能基選択性を利用して,医薬品や生体関連物質などの有用物質を合成もしくは修飾する.
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