本研究では、資源のリサイクル・究極利用を基本コンセプトとし、光エネルギー、しいては自然エネルギーである太陽光を駆動力とした環境汚染物質を資源とする物質変換システムの開発を目的とした。可視光応答型光触媒として界面電荷移動吸収型酸化チタンを合成し、また触媒反応部位として金属酵素由来のビタミンB12型の金属錯体を用いることで、特異で高い反応性を示す複合触媒の開発を行なった。反応としては、環境汚染物質である有機塩素化合物を原料としたエステル及びアミド合成に成功した。本成果は、炭素資源のリサイクル技術として、有機ハロゲン化合物を有用品へと変換する独創的な取組であり、社会的にも意義深い。
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