ジニトロピリドン、ケトン、酢酸アンモニウムを用いた三成分系の環変換反応を行ない、ニトロピリジン類やニトロアニリン類を合成することに成功した。こうして合成した化合物はいずれも他法では入手が困難なものである。一方、本法を用いれば、単純な実験操作で簡便に合成することができる。また、ケトンを替えるのみで、環骨格に種々の置換基を導入することも可能であるので、汎用性の高い合成手法であると言える。 得られた骨格は電子供与基と電子求引基を併せ持つことから分子内に電子密度の偏りを有する。このような電子的特徴を有する骨格は生理活性化合物や光学材料などにしばしば見られることから新規な材料の開発に有用である。
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