ポリロタキサンの環状分子部位に一本ずつ側鎖高分子が結合した超分子錯体「一環一置換ポリロタキサン誘導体」を調製する手法を確立した。一置換CDであるモノアジド化α-CDを効率よく調製し逆相カラムを用いて精製した。得られたモノアジド化CDと末端アミノ化PEGとを用いて包接錯体を形成し、トリニトロベンゼンスルホン酸により末端を封鎖してポリロタキサンを得た。さらにクリック反応を用いて末端プロパルギル化mPEGを側鎖として結合し、全ての環に側鎖が結合した誘導体を調整できた。得られた誘導体は、バルクでは溶融していないが側鎖高分子の融点に近い温度で鋭い吸熱を示す特有な熱挙動「束縛融解挙動」を示した。
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