高分子をはじめとする有機薄膜のナノメートルオーダーの構造解析として斜入射小角散乱(GISAXS)法が有効である。通常、用いるX線の波長は1-1.5Åが主流である。近年、放射光のX線源は、様々な波長のX線を利用でき、国内ではテンダーX線領域(2-4keV)からハードX線領域(5-14keV)が利用できる環境が整っている。特定の元素の吸収端近傍のエネルギーを使うことで、特定元素の分布状態が解析でき、テンダーX線利用では、薄膜の厚み方向への深さ分解構造解析が可能である。特にテンダー領域におけるGISAXS法により試料表面近傍(数百100nm)と基板界面近傍での構造の違いを明らかにできることを示した。
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