現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
物理架橋と化学架橋密度が異なるウレタン系架橋高分子を合成した。原料として、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、1,4-水添キシリレンジイソシアネート(1,4-H6XDI)、1,4-ブタンジオール、1,1,1-トリメチロールプロパンを用いて種々のハードセグメント含有量(20および30wt%)を有するウレタン系架橋高分子を合成した。得られた試料について、小角X線散乱測定に基づき、相分離度および相分離サイズを評価した。本研究で調製したウレタン系架橋高分子は相分離系であり、ハードセグメント含有量の増加に伴い、相分離度および相分離サイズが増大することが明らかとなった。また、化学架橋を導入すると、ソフトセグメント末端への架橋構造の導入に由来して、相混合傾向を誘起したが、結晶化したハードセグメントの融点も上昇させた。したがって、化学架橋の導入は、ソフトセグメント相の非純粋化を引き起こす一方、ハードセグメント相の純粋化あるいは分子鎖の高秩序化をもたらすと結論できる。
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